手話で語る哲学対話

根本和徳さんに誘われて、ご友人たちとの哲学対話の場にお邪魔したのは、この日が2回目だった。初回は「文字のない手話の特性」というテーマで、手話学習者である私の疑問を皆さんにお答え頂く贅沢な会……だった。自らの確認不足を悔やみながら、迎えた二ヶ月後の会。「記憶の再現方法と時間」というテーマを持参して臨んだ。

          

高校2年生の坂本優樹さんは、デカルトの機械論的自然観が自然破壊に結びついたという説に疑問をもち、デカルトの『方法序説』にある「自然の主人」という表現から、自然と主人の双方向的な関係を見出す新しい解釈を提示します。

          
哲楽インタビュー_根本和徳さんと編集部にて

根本和徳さんは、お薦めの本を手話で紹介する活動をしている。生まれは福島県。ろう者の両親のもとに生まれ、ろう学校を卒業した後、大学進学を機に地元を離れ、今は特別支援学校の教諭として働いている。もともと本好きで、ちょっとした隙間時間に読書を続けきた。

          

哲楽ウェブサイトでは、オリジナル記事や他メディアで掲載された記事の投稿を受け付けています。皆さんの投稿が、現代の哲学の問いに形を与え、読者を刺激し、日常の暮らしに希望を灯すという哲楽のミッションに貢献してくださることを期待しています。記事の投稿者に対する謝礼はありませんが、哲学的な問題を文章化する経験や、読者とつながることが、これからのあなたのキャリアにプラスになることを願っています。

          

高校2年生の竹永嵩一郎さんから、入不二基義著『現実性の問題』の批評をご寄稿頂きました。絵画を制作する竹永さんが考える死の存在、現代美術の在り方について、「現実性」が与える希望とは…? 切実な問いに迫る文章、どうぞご覧ください。

          
オンラインでのインタビュー風景

入不二基義さんは、青山学院大学で哲学を教えている。自身の思考は日々、ワープロソフトから描画ソフトまで様々なアプリケーションを駆使して記録する。論文執筆時には、集中して、一挙に書き上げる。そうして蓄積された入不二哲学は、複数の概念の動きを捉え、それらが現れたり潜んだり、伸びたり縮んだり、時には螺旋状に流れたりする様子を活写し、独特な言葉遣いで読者の思考を照らす。

          
ゼロからはじめる哲学対話

本書は問いと他者に開かれている。哲学対話のイメージトレーニングをするもよし、オンラインで開催されている哲学カフェに飛び込んでみるもよし。普段とは違う、「ゆっくり・じっくり」考える時間を過ごせるはずだ。

          

清水将吾さんは、大学講師として働く傍ら、東京を中心とした様々な場所で哲学カフェの進行役を務めている。「傍ら…」といっても、清水さんの場合、一方が本業で一方が副業というわけではなさそうだ。「哲学的な謎について人と対話する」ことを中心に据えて、国や分野の境を越えて学びの場を選び、仕事や依頼を受け続けてきた。

         

哲楽休刊のお知らせ

2017年10月23日

 

哲楽編集部では、2011年より哲楽の発行を続けておりましたが、最新号の第7号を最後に、休刊することにいたしました。

          

高山守さんは、東京大学で哲学を教えていた。2013年に同大を定年退職した後、社会活動への関心もあり地元の手話講習会に通い始めた。生まれは東京の江戸川区小岩。高校時代の倫理の授業では、教員に敵対心を抱かせるほど「物事の根本を掴まなければ気がすまない」性分だったというう。

          

研究者たちが学習データの認識率を上げるアルゴリズムを作るために日夜努力していることは、人間の言葉を理解しながら仕事を代わりにしてくれる機械が次々に社会に生み出されることと同一ではない。一体何が違うのか、本書は教えてくれる。ひょっとすると、日本語という言語の学習過程にある小中高生の方こそが、この本からその違いを正しく受け取れるのかもしれない。

          

現代でも、特に英語圏で聾教育や手話の問題が論じられるとき、アリストテレスには多種多様な仕方で言及されることがある。今回は、アリストテレスが実際に書き残したことを追いながら、何がこうした多様な解釈をもたらしているのかを考えていきたい。

          

前回は、身振り・手話・音声・文字というモードに、連続性と非連続性があるのかもしれない、という話をした。今回は、手話についての価値判断をめぐる歴史的な背景を見ていこう。

          

この連載では、手話を生活言語としている人々に哲学の議論にもっと加わってもらえるように、また、音声を生活言語としている人々がこれまでの哲学の音声言語的特徴を自覚できるように、その下敷きとなる話題を整理していく。

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジン、前回から間が空いてしまいましたが、最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

  人工知能の進化の勢いが止まりません。最先端の技術によって、自ら学習する高度な人工知能の研究が進められています。また、お掃除ロボットのルンバや、スマホの秘書機能のsiriなど、より安価な製品として販売され、す […]

          

哲楽メールマガジン10月7日号をお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

哲学史の中でも特に複雑でわかり難いといわれる中世スコラ哲学。これまでそのスコラ哲学の見所・勘所を披露しつつ、水先案内人として多くの著作を残してきた著者は、本書で「感じる」ことを基点として、スコラ哲学の醍醐味を再現することを試みている。

          

世の中には自分の知らない世界がまだまだある。「応用物理」という世界もそのひとつ。日本応用物理学会という学会があることを私はこれまで知らなかった。学会ウェブサイトによると、会員数は2万人を超え、春と秋に毎年二回開催される講演会にはそれぞれ7千人と6千人が参加して、4000件の発表がなされるという。

          

哲楽メールマガジン、今号は2ヶ月分のニュースをまとめてお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

2016年3月に『存在と時間 ――哲学探究1』(文藝春秋)を刊行された永井均氏に〈私〉と〈今〉の哲学についてお話をいただき、永井×入不二×森岡三氏によるトークを行ないます。事前登録不要ですので、ぜひご参加下さい。

          

この投稿はパスワードで保護されているため抜粋文はありません。

          

2016年6月4日、ムーンライトブックストア佐倉店で哲楽公開インタビュー「風間コレヒコさんに会いにゆこう」が開催されました。風間コレヒコさん流のパンクハードコアの楽しみ方について、当日の記録をもとに加筆・編集の上、お届けします。

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジン6月2日号をお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

第3回 「現代哲学ラボ」開催予定
「生まれる」ことをめぐる哲学
人間の誕生、生まれてこなければよかった命、人格の同一性などの問題について哲学と社会学の垣根を越えて考えてこられた明治学院大学の加藤秀一さんにお話いただき、加藤×森岡両氏 によるトークを行ないます。

          

『哲学者に会いにゆこう』(ナカニシヤ出版)の発売を記念して、2016年6月4日に哲楽公開インタビュー「風間コレヒコさんに会いにゆこう」を、千葉県佐倉市のムーンライトブックストアにて開催します。この本にもインタビューが掲載された風間さんは、哲学を学んだ後、障害者の自宅介助員として働きながら、アンダーグラウンドバンド「デラシネ」で音楽活動を展開しています。当日は、風間さんのパンク論や最近の関心事についてお話を伺います。

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジン4月号をお届けします。

          

第8回応用哲学会にて、「哲学は視覚イメージ化できるのか」というテーマでシンポジウムが開催されます。漫画を使った哲学本を出されている児玉聡さんと森岡正博さんに、プロの漫画家である理系漫画家はやのんさんをお迎えして、媒体に応じた哲学の表現のあり方を探ります。

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。3月の最終日、哲楽メールマガジン3月号をお届けします。

         

国際女性デー

2016年3月8日

 

毎年3月8日は、国際女性デーです。哲楽ウェブサイトでは、本日、女性を対象としたインタビュー記事や取材記事、寄稿エッセイを一覧にする機能を設けました。右上のHeForSheのロゴをクリックすると、この一覧が表示されます。

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。3月に入ってしまいましたが、哲楽メールマガジン2月号をお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

2015年12月12日に開催された第2回現代哲学ラボにおいて、私は永井均に公開インタビューを行なった。それはたいへん刺激的で有益なものだった。そのときに私が質問したひとつのテーマが私にとって重要なものであることが判明したので、ここにメモとして残しておきたい。

          

2015年12月12日にホテル&レジデンス六本木で開催された「永井均氏に聴く:哲学の賑やかさと密やかさ」では、永井均氏をゲストにお迎えしました。「現代哲学ラボ」第2号は、この時に収録した音源をテキストとして再現し、図表と脚注により、詳細な解説を加えました。

          

2016年2月8日、福島高校三年の小野寺悠さんは、東京大学大学院の早野龍五教授(物理学)とともに、日本外国人特派員協会で記者会見を開いた。査読付きの英文ジャーナルに掲載された論文の内容をすべて英語で説明し、記者の質問に答えた。

          

山内志朗さんは、慶應義塾大学で哲学を教えている。生まれは山形県。奈良時代に始まったとされる山岳宗教に修験道があるが、その行者である山伏たちが修行した山々のふもとに育った。山中で厳しい修行を行う山伏は明治期に廃業を余儀なくされ、今では体験修行しかできないものの、山内さんの3代前の祖先までは山伏だったため、幼い頃からスピリチュアルなものに関心があったという。

          

 哲楽メールマガジン 2015/1/30日号 vol.18 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Book 哲楽 第7号 […]

          

森岡正博さんは、早稲田大学で哲学を教えている。2015年の春、27年ぶりに関西から関東に戻ってきたばかりだ。7月最後の土曜、首都高速が頭上を走る通りに面した都内のホテルで開催された「現代哲学ラボ」で、話を伺った。

          

哲楽最新号となる第7号、特集「身体性の未来」が本日発売されました。
通販ではAmazonとFujisanより、実店舗ではジュンク堂書店池袋本店(4F人文書コーナー)にてご購入頂けます。なお、1月21日時点で、Amazonでは、ご予約頂いたお客様への発送により、一時在庫切れになっております。順次追加納品しておりますが、お急ぎの方は、Fujisanかジュンク堂書店池袋本店をご利用下さい。

          

2015年12月19日にMOONLIGHT BOOKSTOREにて行われた今回の西千葉哲学カフェでは、「模倣(パクり)の倫理」をテーマにしました。昨今、様々な場面で模倣(パクり)が世間の関心を集めています。STAP細胞をめぐる騒動、東京オリンピックのエンブレムをめぐる問題、そして今回の哲学カフェの直前には、Mr. Childrenの歌詞が盗用されているのではないかという疑惑が盛んに報道されていました。そうしたことを念頭に置きながら、そもそも模倣(パクり)をどう倫理的に考えたらいいのかと、参加者の皆様と語り合っていきました。

         

承認されたい私

2016年1月5日

 

2015年11月29日に、千葉市にある古書店MOONLIGHT BOOKSTOREで、7回目になる西千葉哲学カフェが開かれました。今回のテーマは「承認されたい私」。今回は若い学生の方が多く集まってくださいました。

          

 哲楽メールマガジン 2015/12/29日号 vol.17 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Event 現代哲学ラ […]

          

2015/11/28日号 vol.16 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジン11月号をお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

哲楽メールマガジン 2015/11/2日号 vol.15 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Event 現代哲学ラボ […]

          

現代哲学ラボの第2回として、2015年12月12日に哲楽公開インタビュー「永井均氏に聴く:哲学の賑やかさと密やかさ」を、ホテル&レジデンス六本木 ニシロクラボにて開催します。現代日本を代表する哲学者である永井均氏をお招きして、ご著書の『哲学の賑やかなつぶやき』と『哲学の密かな闘い』(ぷねうま舎から2013年出版)を素材に、森岡正博氏とのトークをお届けます。

          

哲楽メールマガジン 2015/9/29日号 vol.14 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Article 哲楽最新記 […]

          

2015年9月6日に開催された、通算5回目になるMOONLIGHT BOOKSTOREでの哲学カフェ。今回のテーマは「自由」でした。自由という概念は、伝統的な哲学のテーマであり、突き詰めて考えていくと眩暈がするほど難解です。しかし、そうであるにも関わらず、私たちの生活に深く密着していますし、場合によっては、自由をどう捉えるかということが、私たちの人生観に大きな影響を与えもします。今回の哲学カフェでは、そうした現実との関わりに注目しながら、自由をめぐる対話が交わされました。

          

2015年8月2日、西千葉にあるMOONLIGHT BOOKSTOREでの第4回の哲学カフェが開催されました。この日のテーマは「かわいいの正義」。かなり奇抜なテーマで、どれくらい参加者の方が集まってくれるか心配でしたが、当日は前回を超す多くの方々が参加してくれました。「かわいいの正義」は私が作った言葉ですが、そのもとになったのは「かわいいは正義」という流行語です。この言葉は、「かわいければ何をされても許してしまう」といったような、現代の価値観の一つを表す言葉です。今回の哲学カフェでは、この価値観そのものの「正義」を問い直してみよう、という趣旨のもとで、開催されました。

          

2015年7月5日に、西千葉にあるMOONLIGHT BOOKSTOREでの第3回哲学カフェが開かれました。この日のテーマは「疲れってなに?」。私たちは様々な出来事や気分を「疲れ」という一つの言葉で言い表します。身体の疲れ、心の疲れ、恋愛の疲れ、人生の疲れ。そうした「疲れ」に何か共通するものはあるのか、あるとすればそれは何なのか。お越しいただいた方々と一緒に対話をしました。

          

ロボットに関わる問題を哲学分野でも議論していこうと、ロボットの応用哲学研究会の主催で、2015年9月7日から9日、サマースクール「ロボット社会のゆくえ」が開かれ、2日目の講演会に参加しました。ここでは、それぞれの講演の概要と、これから議論が発展しそうなポイントをまとめてレポートします。

          

哲楽メールマガジン 2015/8/31日号 vol.13 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Event 現代哲学ラボ […]

          

哲楽編集部の高校生インターンによる渾身のエッセイ!「アメリカ人と日本人の違いとは何なのだろうか。この問いは、アメリカで暮らし、また、アメリカからの帰国子女と触れ合う機会の多い私にとって切実なものだ」

          

哲楽メールマガジンをお届けします。前号からメールマガジンをリニューアルして内容を増量しております。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

本年7月に『あるようにあり、なるようになる——運命論の運命』(講談社)を刊行される入不二基義さんに運命論の哲学についてお話をいただき、入不二×森岡両氏によるトークを行ないます。事前登録不要ですので、ぜひご参加下さい。

          

哲楽メールマガジン 2015/6/26日号 vol.11 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。今月からメールマガジンをリニューアルして内容を増量しました。最 […]

          

現代哲学ラボの第0回準備会として、2015年7月25日に哲楽公開インタビュー「森岡正博氏に聴く:ロボット社会における生命」を、ホテル&レジデンス六本木 ニシロクラボにて開催します。

          

哲楽の最新情報と国内外の哲学事情をお届けして参ります。

         

笑いの坐禅体験

2015年5月21日

 

2014年6月23日、梅雨の晴れ間の月曜日、神奈川県葉山町にある茅山荘で坐禅会が開かれ、永井均さんと一緒に伺った。 総武線快速で千葉方面から東京湾沿いにぐるりと西へ抜け、逗子駅に降り立つと、光が眩しく、人々の表情も明るい。「こりゃぁ空気の品がいいね」と永井さん。駅からタクシーで15分ほど住宅街を抜け、山道を上ると、茅葺き屋根の立派な門が見えてきた。門をくぐると、そこは竹林が広がる異次元空間。小川を渡り、鶯のさえずりを耳に小道を行くと、坐禅堂には既に30人近い参加者が集まっていた。(哲楽第6号より)

          

昨年11月の哲楽ライブでピアノの弾き語りをお届けした紀々。この春、子どもと過ごすすべての人に向けたアルバム「願いうた」がリリースされた。これまで哲楽編集人として、数多くの哲学者にインタビューさせて頂く機会に恵まれ、ひとつ気がついたことがあった。自分の問いに人生をかけて向き合い続けることが出来る人は、子どもの時代に耳を傾けてくれる大人が側にいた人であると。つまり、子どもの「哲学の芽」を育てられるかどうかは、大人にかかっているのだと。

          

風間コレヒコさんは、週の3日を障害者の自宅介助員として働き、残りの時間をミュージシャンとして活動している。高校時代に、地元の福岡で見たアンダーグラウンド・バンド「人間」のライブに衝撃を受け、直後に友人3人でバンドを結成。ノイズやパンクを織り込んだ音楽作りが、自分が初めて見つけた「夢中になれるもの」だった。

          

「そわそわ」の大晦日、今年一年の読書を振り返った。ご恵贈頂いた本は、ランキングには入れられなかったものの、自分で買い求めた本の中からベスト10を選出。

          

2014年11月23日、東京目黒区の老舗ライブハウス、珈琲美学にて、哲楽ライブが開催された。出演者は、哲楽家の紀々、哲学者の永井均、ミュージシャンの風間コレヒコ。「歌と朗読と哲学対談」という構成であることは告知していたも […]

          

この度、哲楽編集部は、哲楽第6号「永井哲学の道のりと広がり」発売記念として、「歌と朗読の哲楽ライブ」を開催します。会場は、東京目黒区にある老舗ジャズ喫茶、「珈琲美学」。当日は、特別に哲楽珈琲「永井の歌声」がメニューに加わります。出演者には、沖縄で哲楽家として活躍されている紀々さん、哲学者の永井均さん、ミュージシャンの風間コレヒコさんをお迎えし、編集人の田中さをりがMCを務めます。ピアノの演奏、歌、朗読が中心ですが、後半では、永井均さんと元教え子の風間コレヒコさんとの間で、「風間くんの批判=質問」をめぐる哲学的議論も少しだけお届けします。

          

台風が近づく薄曇りの土曜日、永井均と、東京三谷に住む風間コレヒコを尋ねた。「山谷」という地名は、住居表示制度により、1966以降の地図上には存在しない。日雇い労働者のための安宿が多く立ち並ぶドヤ街を指す地名として、その呼び名だけが残っている。

          

最新号「永井哲学の道のりと広がり」のKindle版がKindleストアより発売開始されました。

          

高校生からの哲学雑誌『哲楽』は、手作り製本で創刊され、事務所が併設するSoy Book Cafeで販売されてきました。Cafeで使っていたコーヒーが好評だったことから、『哲楽』の読書のお供に飲んで頂けるような、オリジナルの珈琲豆が誕生しました。

          

永井均さんは日本大学で哲学を教えている。哲学好きな読者ならば知らない人はいない、現代の日本の哲学を牽引してきた哲学者の一人だ。34歳で『〈私〉のメタフィジックス』を上梓してから、平均して年に一冊の著作を発表し続けている。難解でとっつきにくいというのが哲学の一般的なイメージである日本国内で、このペースで新刊本が次々に書店に並べられる、作家としての哲学者は数少ない。過去には、朝日新聞や日本経済新聞でもその随筆が連載され、大学で高校生と保護者向けの説明会を開けば、愛読者も詰めかける。それが哲学者、永井均さんだ。桜の新緑が眩しい4月のある日、編集部に永井さん自ら自転車で駆けつけて下さってインタビューが実現した。

          

木村敏さんは、長年にわたり、精神的な病の診断にまつわる哲学的論考の執筆活動を精力的に続けて来られた。ご専門の精神病理学の分野ではもちろんのこと、2003年に『木村敏著作集第7巻』で和辻哲郎文化賞を受賞されたことからわかるように、哲学の分野でも高名な精神科医だ。国語の教科書にも掲載されているので、その美しい文体は、高校生にも馴染みがあるかもしれない。2014年夏、日本三大祭りの祇園祭の中日、京都市三条通りにある研究室を尋ねた。

          

「これは使えそう」というのが本書を手にしたときの第一印象だ。ワークブックとして、教室などで議論をしながら使うための本としてデザインされているので、随所にその工夫が見られるのだ。まず、B5版の大きさがいい。中には書き込みができるスペースがあり、この大きさだと、開いた時に本が自立する。

          

哲楽創刊号から広告を出していただいている、ナカニシヤ出版さんより、最近出された本をご恵投いただいた。どれも哲学や教養をめぐる「今」を鋭く捉えた好著なので、一冊ずつご紹介したい。まずは『ゆとり京大生の大学論:教員のホンネ、学生のギモン』から。

          

哲楽第6号がいよいよ今月末に発売予定となりました(一部の店舗では9月に入ってからの発売となりますのでご了承下さい)。今回の特集は、「永井哲学の道のりと広がり」。今年の4月から、哲学者、永井均氏の不思議な魅力とその哲学のもつ波及力に迫りました。

          

8月4日(月)、5日(火)、世界初の幼児向け哲学バラエティーがNHKで放送されます!幼少期の何気ないQ(=問い)をきっかけに「自分なりの答え」を見つける力を育む教育番組である。将来の理想像が見えにくくなっている昨今、自ら問題点を見つけ出し、粘り強く考え、適切な答えを導く人材が求められている。番組では、こどもたちの身の回りにある“当たり前”をもう一度問い直し、深く考えることを促していき、答えのない問いに対し、どのようにモノを捉え、どのような順序で思考していけば「自分なりの答え」が導けるのかを提示していく。

          
ベビーウェアリング研究会ポスター

ベビーウェアリングとは、人類が長く行ってきた育児の基本的な行動、だっこやおんぶ。だっこやおんぶを考えるセミナーを東京で開催します。

          

「楽しい」という漢字を当てた本誌のブログ記事として適切かどうか、躊躇するところではありますが、音声編集に慣れている者として、できるところは協力したいと思い投稿します。2014年6月18日に開かれた東京都議会平成26年第2回定例会で、一般質問中の塩村文夏議員に対して、議場から性的侮蔑の声が複数上がったことが問題になっています。すでにこのニュースは国内英字新聞で報道され、AFP通信を経由して、国外でも報じられています。公開動画から、スペクトル解析のベースとなりそうな音声を切り出しました。

          

この本では、都市という環境に注目しました。世界人口の半分以上が都市に住む現代では、都市環境こそが人々にとって身近な環境になっているからです。身近な環境を舞台にして、人々が規範をつくりだしていくことを目指し、子どものころの秘密基地づくりや、まち歩き、地図作りといった話題をからめて、読みやすく、わかりやすく、環境倫理を論じています。

          

鎌倉哲学カフェ主催の哲学カフェが、東京下北沢の「クラリスブックス」さんにて、出張開催!大切なのは、「ゆっくりと考え、聞く。そして、変わる」

          

小学校や中学校などで実際に「哲学対話」の授業を行っている講師による、「こども哲学」未経験者のための入門講座のお知らせ!

          

藤井基貴さんは、静岡大学教育学部で防災教育に取り組んでいる。 大学時代、カント研究に従事していた藤井さんは、静岡大学への着任をきっかけに道徳教育に携わるようになった。大学で学んだカント哲学と、義務教育のなかの既存の道徳教育には乖離があるように思えたものの、2009年春から、教員を目指す学生達とともに道徳教育の教材の開発・実践を始めた。

          

立花浩司さんは、北陸先端科学技術大学院大学の社会人学生として、文化人類学を専門とする教員のもとで科学技術と社会に関する知識科学を研究している。大学の農学部を卒業後、バイオ系の実験機器・試薬を製造販売する会社に就職した。

          

志村さんとゲーテ の出会いは、不思議な縁でめぐってきた。志村さんが柳宗悦の民藝運動に共感して苦闘のすえ染織家になり、詩人の大岡誠さんの進めで本を出版するその間に、 高橋義人さんの著書を通じて、ゲーテの色彩論を手にしたのがその始まりだ。植物から緑色を出すことがどうしてもできないことに悩んでいた時の、まさにそこ から視界が切り拓けるような出会いだった。

          

哲楽メールマガジン第10号 いつもPholosophy-Zoo哲学ラジオと高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。編集人の田中さをりです。小誌哲楽をご購入頂いた皆様と、これまでにお名刺の交換をさせて頂 […]

          

当時関東地域の保育園で行われていたのは、放射線の専門家を招いた、放射線の知識を「情報提供」する説明会が一般的だったなかで、村上さん達は「情報収集」に徹した。(『哲楽』第5号、p.10)

         

報道写真家の哲学

2014年1月28日

 

今城力夫さんは、元報道写真家で哲楽を1号からご愛読頂いている一人だ。1939年に台湾で生まれ、終戦時は6才だった。中学生になった頃、父の薦めで自宅にあったドイツ製のカメラで写真を撮るようになり…

         

防災哲学カフェその2

2013年12月29日

 

珈琲ブレイクをはさんで後半の哲学カフェでは、「想定外」という言葉をめぐる哲学対話を行いました。
「想定外という言葉が入った例文をあげられますか?」のこちらからの問いかけに、次の3つの例文が上がりました。

         

防災哲学カフェその1

2013年12月19日

 

哲楽第5号の発売を記念して、12月7日、西千葉のムーンライトブックストアさんにて「防災哲学カフェ」を開催しました。ゲストとして、全国30カ所以上でサイエンスカフェを開催されて来られた、サイエンスコミュニケーションの専門家、立花浩司さんをお招きし、ご近隣にお住まいの方を中心に9名の参加者が集いました。

          

前回、外国人の臓器移植の問題について取り上げたところ、本当に日本にいる外国人でも臓器提供できるのかという質問を頂きました。そこで、移植移植に関する主要な団体に問い合わせしてみました。今日は、(公社)日本臓器移植ネットワークのご担当者の方から頂いた回答についてご紹介したいと思います。

          

英会話の授業で、日本の医療問題がテーマになり、脳死臓器移植の現状を話す機会がありました。講師の先生はイギリス人で、私の英語表現に訂正を加えつつ、熱心に聞いて下さいました。
その時、気がついたことがありました。「日本に住む外国人の方々に、臓器移植法案の改正や、それに伴う事前の意思表示の仕方についての情報は、きちんと伝わっているのか」という問題です。

          

本誌の創刊以来、ずっと気になっていた一人の女性がいた。本誌『哲楽』と同じく、 「楽しい」という漢字を当てた、哲楽家という肩書きをもつ紀々さん、その人だ。(『哲楽』第4号、p.55より)

          

梶谷真司さんは、東京大学の駒場キャンパスで哲学と比較文化を教えてい る。前任校の帝京大学では、学生が就職活動用の自己 PR 文章をなかなか書けない実情に直面し、東大に移った後は、質問できない学生が多いことにショックを受ける。(『哲楽』第4号、p.37)

          

本間直樹さんは、大阪大学文学部で哲学を教えている。文献を講読するスタイルの授業以外にも対話に関するワークショップ形式の授業を担当している。(『哲楽』第4号、p.29)

          

土屋陽介さんは、立教大学と茨城大学で哲学を教えている。「懐疑論」と呼ばれる哲学の問題を専門にして、大学の学部生から博士課程までのたっぷり10年間、真面目に取り組んできた。(哲楽第4号p.21より)

          

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「斎藤信治さんは、中央大学(法科大学院)で刑法を教えている。人の生命に関わる刑法と医事法学に関心をもち、これまで安楽死、尊厳死、薬害エイズなどの問題に関わってきた。」哲楽第3号、pp.45より

          

「京都大学に入学した当初の児玉青年は、 生命倫理学の常識的な言葉さえ知らなかったという。日本に生命倫理学を導入した加藤尚武先生の授業で倫理学を学び、その面白さに目覚めて研究を始め・・・」哲楽3号pp.3-10。

         

功利主義とは何か

2012年1月30日

 

「功利主義って何ですか? 5 分で簡単に解説してください」と無茶なお願いをしたところ、 すぐに四つの特徴が挙がった。一つは、何かの行為を「よい」とか「悪い」とか評価する際に行為の結果を重 視する「帰結主義」。二つ目は、この帰結=結果の中で人々の幸福を重視する「幸福主義」。三つ目は、全体の 幸福を考える「最大多数の最大幸福」、そして最後は、一人を一人以上には数えない「公平性」だ。

          

戸田聡一郎さんは、東北大学の学生時代、脳科学の研究室で猿やラットや人を使った実験をしていた。挫折していたころに、「生命倫理学」の授業で倫理学に出会い、夢中で議論に参加した。哲楽3号pp.21-27より。

          

若き美学研究者の星野太さんの目に、サルトルとボーヴォワールの批評し合う関係はどう写ったのか、また、彼らの思想が本国以外で同時代的に受け入れられた背景に何があるのか、伺いました。

          

「加藤尚武さんは、東京大学でヘーゲル研究者を志していた 1950 年代に、DNA の構造式が発見されてから 20 年後に遺伝子組み換えの可能性が示唆された時期を見逃すことはできなかった。」哲楽第3号pp.12-19より

          

現代求められる医師宣言を驚きの方法で編纂中の尾藤医師。twitterでブレーンストーミング、選定会議をustreamで公開、facebookでレビューして総選挙。どんな医師像が浮かび上がってきたのか、ぜひお聴き下さい。

          

「金森少年は、コミュニケーションに自信がなく、大学時代東京に出てきたときにも、人との接触に戸惑うことがあったという。そんな「私と世界とのしっくりいかなさ」 から解放してくれたのが、哲学だった。」哲楽第3号pp.28より