東京都議会、塩村議員発言中の音声解析にご協力を

2014年6月20日

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編集人・田中さをり
千葉大学大学院にて哲学、 倫理学、情報科学を学ぶ。アメリカのコネチカット大学で訪問研究員として二年間過ごした後、日本の複数の大学や企業でテクニカル・スタッフとして勤務する。 日米でのアカデミックな経験を通して、学術分野での広報と質の高い文章作成の重要性を実感する。現在、様々な媒体で科学技術や哲学に関する執筆活動を続けている。

「楽しい」という漢字を当てた本誌のブログ記事として適切かどうか、躊躇するところではありますが、音声編集に慣れている者として、できるところは協力したいと思い投稿します。

2014年6月18日に開かれた東京都議会平成26年第2回定例会で、一般質問中の塩村文夏議員に対して、議場から性的侮蔑の声が複数上がったことが問題になっています。すでにこのニュースは国内英字新聞で報道され、AFP通信を経由して、国外でも報じられています。オリンピック開催予定地での出来事であることから、今日明日をピークにさらに世界中に広がるものと思われます。

発言者の特定は音声の証拠がないため難しいとされているようですので、都議会で公開されている録画映像中の音声を直接取り込みながら録音して、問題の箇所を抜き出しました。リンク先から、平成26年第2回定例会 > 一般質問と辿ると、映像が流れますが、その中の6:26:00ごろから塩村議員の一般質問が始ります。

下記がその映像を録音・切り出しを行った音声データです(クリックすると音声が流れますのでボリュームにご注意下さい)。二番目の音源の冒頭で、男性議員が「早く結婚した方がいいんじゃないか」と塩村議員の発言を妨害していることがわかります(それに続く別の男性の声も聴こえます)。終盤では、女性議員の声で「うるさい!」と暴言を制するような発言も聴こえます。

(1) 塩村議員一般質問中の「子育て支援」に関する質問(録音した音声を切り出し未編集でMP3に変換したもの)
(2) 上記の質問中の問題の箇所(問題の箇所を切り出し、ボリュームを上げ、ノイズ除去したもの)

ここから先は、スペクトル解析等で個々の発言がよりクリアに抜き出せるかもしれませんが、何分、手元の環境ではこれが限界です。さらに音声の解析を進めて下さる方は、東京都議会で公開されている映像から切り出した上記の音源をお使い頂ければと思います。

日本の首都、東京の議会で起こっていることは、恥ずべきことではありますが、オンラインでつながっている技術者にバトンパスしていきながら、少しでも何らかの形で事態の改善につながることを願います。

なお、音声の録音、編集にはそれぞれSoundflowerAudacityを使いました。塩村議員が一般質問を行っている全10分間の音声も録音してありますので、より長い音声区間での解析に必要な方はこちらもお使い下さい。

それにしても、広い議場のなかで登壇者の前に置かれている指向性マイクで、これだけの音を拾っているのですから、塩村議員ご本人には相当大きな声で届いていたはずです。その場を想像すると、言葉がありません。

こうした草の根の動きが、自覚のある発言議員の真摯な対応につながることを願います。今後の対策として、議場内の野次も録音して議事録に残すと抑止力になるかもしれません。道のりは険しいですが、学校の教室でも真似ができるような公的議論のお手本は、都議会の議事録にあるよと言われる日が、どうかいつか訪れますように。