哲楽メールマガジン:5月号

2015年5月24日

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哲楽編集人・田中さをり

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。編集人の田中さをりです。哲楽の最新情報と国内外の哲学事情をお届けして参ります。お付き合い頂けましたら幸いです。

哲楽ウェブサイトから

笑いの坐禅体験

哲楽最新号の第6号特集「永井哲学の道のりと広がり」より坐禅体験の記事を公開しました。神奈川県葉山町にある茅山荘で坐禅会に昨年お邪魔しました。もとは別荘地だったこの場所を管理されているのは、曹洞宗国際センター所長の藤田一照さん。初めての坐禅体験は、笑いの時間に満ちていました。

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2014年6月23日、梅雨の晴れ間の月曜日、神奈川県葉山町にある茅山荘で坐禅会が開かれ、哲学者の永井均さんと一緒に伺った。 総武線快速で千葉方面から東京湾沿いにぐるりと西へ抜け、逗子駅に降り立つと、光が眩しく、人々の表情も明るい。「こりゃぁ空気の品がいいね」と永井さん。駅からタクシーで15分ほど住宅街を抜け、山道を上ると、茅葺き屋根の立派な門が見えてきた。門をくぐると、そこは竹林が広がる異次元空間。小川を渡り、鶯のさえずりを耳に小道を行くと、坐禅堂には既に30人近い参加者が集まっていた。

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音楽で哲学の芽を育てよう!「願いうた」Amazonからも購入可能に

昨年11月の哲楽ライブでピアノの弾き語りをお届けした紀々。この春、哲楽編集部の企画で、子どもと過ごすすべての人に向けた紀々のファーストアルバム、「願いうた」の発売を開始しました。現在、Amazonからもアルバムを購入することができます。

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小誌『哲楽』を続けて出版するだけでも毎回青息吐息の編集部。色々な現実的な心配をよそに、今回、「哲学の芽」を育てる人々を応援するためのレーベルPhilomusicaを設立しました。

プロの音楽家である紀々の手で、新しい楽曲やアレンジが生まれ、哲学者の永井均さんからも「小さいときバンザイ!」の歌詞の提供を受け、聴くたびに新しい発見のある楽曲が集まりました。アルバムの歌詞カードには、哲楽でもおなじみのイラストレーター・立原圭子さんが、絵本風のイラスを描いて下さいました。子ども達と額を寄せ合いながら、歌って欲しいです。

5月の哲学関連ニュース

編集人を通り過ぎていった気になるニュース情報をお届け!2015年5月1日〜5月23日分

遺伝子

[5/2]朝日新聞:ヒト受精卵改変技術、科学界大揺れ 倫理議論追いつかず www.asahi.com/articles/ASH4T

[5/2]webDICE:映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』渋谷アップリンクほか公開中 www.webdice.jp/dice/detail/46

[5/2]毎日新聞:卵子凍結:全国で353人2699個の未受精卵が保存中 mainichi.jp/select/news/20

[5/22]朝日新聞:研究中の遺伝子組み換え植物、外で育つ 名大、急ぎ回収 www.asahi.com/articles/ASH5Q

教育

[4/28]Washintonpost: Philosophy’s gender bias: For too long, scholars say, women have been ignored. www.washingtonpost.com/news/grade-poi

[5/1]河北新報:囲碁授業が学生の定石 東大など21校で採用 www.kahoku.co.jp/tohokunews/201

[5/4]ハフィントンポスト:世界の教育はよくなっているのか? Education for Allの報告会に参加してきました。 www.huffingtonpost.jp/tatsuhei-moroz

[5/4]産経:子どもの数が34年連続減少 www.sankei.com/life/news/150504/lif1505040020-n1.html 

[5/5]ザ・ページ:多様化する教室の子どもたち 性同一性障害やギフテッド thepage.jp/detail/2015050

[5/5]河北新報:子どもの社会参画/意見表明する環境の拡充を www.kahoku.co.jp/editorial/2015

研究

[5/3]ハフィントンポスト:大隈典子氏による日本の論文の国際ランキングについて→「論文」という文化をめぐって www.huffingtonpost.jp/noriko-osumi/e

[5/3]日経:大学教員「任期付き」4割 主要11大学、6年で4000人増 mw.nikkei.com/sp/#!/article/

[5/20]各研究機関に研究倫理教育の適切な実施を求めるため,「平成26年度科学技術人材養成等委託事業(研究機関における研究倫理教育に関する調査・分析業務)」を行いました。詳細はこちら→www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/

人工知能

[5/13]マイナビ:薬の飲み忘れなどを防ぐ介護向けの「服薬支援ロボ」、個人向けに発売 news.mynavi.jp/news/2015/05/1

[5/12]ITpro:人工知能で要注意社員をあぶり出し 情報漏洩対策に新手法 itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/0

[5/18]日刊工業新聞:政府主導のロボ協議会が始動−日本発の新たな産業革命、労働不足解消・廃炉の切り札に www.nikkan.co.jp/news/nkx152015

[5/16]ニュースイッチ:安倍首相が「ロボット革命」宣言に込めた決意―オールジャパン体制が始動 newswitch.jp/p/639

[5/15]ITpro:脳を模した回路、人工知能の発展への一歩となるか itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/idg/14/48

[5/18]レスポンス:5年後は「ロボットひとり1台」の時代に!? 宇宙から還ったKIROBO、子どもたちとふれあう response.jp/article/2015/0

[5/22]北海道新聞:囲碁ソフトとプロ棋士対局 31日・函館の人工知能学会 dd.hokkaido-np.co.jp/entertainment/

[5/4]ニュースイッチ:日本は人工知能ロボット大国になれるか! 世界で勝つ戦略へ経産省動く newswitch.jp/p/495

[5/7]The Gurdian:The philosophy of privacy: why surveillance reduces us to objects www.theguardian.com/technology/201

医療

[5/18]読売新聞:薬害エイズ被害男性が脳死肝移植「重複感染者、希望もって」 www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=11

[5/17]中国新聞:腎・膵臓別々に移植後出産 愛知の病院、国内初 www.chugoku-np.co.jp/local/news/art

[5/19]中日新聞:心臓移植、子ども優先 18歳未満の脳死 www.chunichi.co.jp/s/article/2015

[5/23]毎日新聞:神戸・生体肝移植:4人死亡 「脳死と同水準体制を」 移植学会、注意喚起 mainichi.jp/shimen/news/20

国連

[5/4]日刊ベトナムニュース:国連の世界幸福度調査、ベトナムは158か国中75位、日本は46位 www.viet-jo.com/news/statistic

[5/13]財経新聞:世界の科学者が電磁場と無線技術から人間と野生生物を保護するよう国連に要望 www.zaikei.co.jp/releases/252276/

障害

[5/7]日経:手話カフェが人気、障害者雇用で働きがい確保へ www.nikkei.com/article/DGXMZO

[5/20]IROIRO:兵庫県明石市は公費で手話通訳、東京都北区は議会にタブレット導入、障害者対応が進展 irorio.jp/agatasei/20150

書店

[5/18]シネマカフェネット:”一冊の本を売る書店”「森岡書店」が銀座の歴史的建造物・鈴木ビル1階にオープン! www.cinemacafe.net/article/2015/0

[5/18]asahi.com:ゾルゲたたえるナチ外相の手紙 神保町の古書店に www.asahi.com/articles/ASH5H

その他

[5/6]産経:英王女ちなむ命名に抗議 赤ちゃんザル「シャーロット」 高崎山自然動物園、取り消し検討 www.sankei.com/west/news/1505

[5/14]ログミー:朝食から職業まで、悩ましい選択は人生のチャンス? 哲学者が教える、あなたの個性の作り方 logmi.jp/54733

[5/10]東京新聞:イルカ追い込み漁は「倫理違反」 日本の会員資格停止 www.tokyo-np.co.jp/article/nation

[5/13]ハーバービジネス:どこの国にも属さない土地に「税金は払いたい人が払う」国が建国していた hbol.jp/39699

編集後記

先日、小誌哲楽について、「あの雑誌、続けてもらわないと困るんだよ」と一人の読者に声をかけられ、まずはメールマガジンから再開しました。こうしてひとたび世界に目が向けられると、思いがけない方から声をかけて頂くことが増えました。次号の取材のための資料も取り寄せました。メールマガジンの編集という小さなことでも、積み重ねていくと、次の方向性が見えてくる。今さらながら実感しました。

さて今、カレル・チャペックの『ロボット』(岩波書店,1989年)を読んでいます。戯曲形式で描かれた、ロボットが労働を担う近未来の世界。ロボットが労働を担うことで、女性が子どもを産まなくなり、人類が滅亡するのではないか、という問題意識が主人公の女性の視点で語られています。この5月のニュースでも、「子どもの数が34年連続減少」というニュースと「安倍首相によるロボット革命宣言」のニュースが並んでいます。チャペックは哲学科出身の新聞記者として活躍したそうですが、現実はチャペックの戯曲より奇なり、であります。

 

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