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秋晴れのある朝、千葉大学大学院に在籍中の、俵邦昭さんとお話してきました。哲学ラジオのインタビュー後の音声編集では、不要な空白や言い淀みは削るようにしているのですが、今回、そうした俵さんの「ためらい」の呼吸も、皆さんにお届けすべきメッセージではないかと思い、そのままにしてあります。普段より長めの50分となっていますが、特に、俵さんと同じ境遇にあるかもしれない方々に届きますよう、願いを込めて公開します。質問リストを参考にどうぞお聴き下さい。
――哲学の生態に迫るウェブ・マガジン『Philosophy Zoo』哲学ラジオのコーナー
を担当します田中さをりです。今日は千葉大学西千葉キャンパスに来ております。
数日前から関東地方の最低気温は11℃前後と、すっかり冬支度が必要な季節に
なりました。今日はひさびさの秋晴れで、千葉大のメインストリートにあるケ
ヤキも桜もすこし紅葉していて、すがすがしい風が通り過ぎていました。さて
そんな今日ですが、千葉大学人文社会科学研究科博士前期課程に在籍中の俵邦
昭さんにお会いします。俵さんとは、個人的に二年ほど前からのお付き合いで
して、今回お話させていただくにあたり、何度がメールでやりとりさせていた
だいていたのですが、そのなかで俵さんからこんなコメントをいただきました。
「不登校で、十数年ひきこもって、永井先生の本を読んで、大検を取って、千
葉大に入った、みたいな人生経験を話したほうがよいのではないかな。」
ということで、みなさん、どんなお話になるか聞いてみたいと思われるのでは
ないでしょうか。私自身も実は、この俵さんの人生経験について、くわしくお
話をうかがうのははじめてなので、俵さんがかつて見ていた世界を想像しなが
ら、そのイメージをみなさんにお届けできるように、じっくりお聞きしたいと
思います。それではさっそく行ってみましょう。
――俵さん、今日は、よろしくお願いします。
俵:どうもまかしてください。はい、どうも、よろしくお願いします。
――はい、こんな感じの俵さんですが(笑)、メールで頂いたようなお話をで
すね、俵さんの人生経験について振り返ってお話いただきた
いと思うんですがよろしいでしょうか。
俵邦昭さんのインタビューは「哲楽」第1号と「哲学者に会いにゆこう」でお読み頂けます。