15歳で止まった時間、ひきこもりの哲学

2010年11月2日

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俵 邦昭(たわら・くにあき)
1975年生まれ。15歳で高校を中退後、12年のひきこもり期間を経て、大検を受験。現在、千葉大学大学院人文社会学研究科博士前期課程在籍中。

秋晴れのある朝、千葉大学大学院に在籍中の、俵邦昭さんとお話してきました。哲学ラジオのインタビュー後の音声編集では、不要な空白や言い淀みは削るようにしているのですが、今回、そうした俵さんの「ためらい」の呼吸も、皆さんにお届けすべきメッセージではないかと思い、そのままにしてあります。普段より長めの50分となっていますが、特に、俵さんと同じ境遇にあるかもしれない方々に届きますよう、願いを込めて公開します。質問リストを参考にどうぞお聴き下さい。

  • Q1.  不登校とひきこもりの歴史について(1:49)
  • Q2. 21歳で永井哲学の本に出会ったことについて(8:17)
  • Q3. アレルギー体質と不登校、ひきこもりの関係は?(9:07)
  • Q4. 文部科学省による「不登校」の定義に当てはまる?(12:13)
  • Q5. 厚生省による「ひきこもり」の定義に当てはまる?(16:12)
  • Q6. ひきこもり青年とひきこもり主婦の関係(21:26)
  • Q7. ひきこもりを許容される/されないで辛さは変わる?(26:21)
  • Q8. ひきこもっている小学生や中学生にできることは?(30:18)
  • Q10. ひきこもりから脱した本当の要因は?(32:44)
  • Q11. 哲学より経済活動が直接的要因?(37:29)
  • Q12. 修士論文のテーマは?(41:07)
  • Q13. 社会から遮断された時間と記憶について(43:30)
  • Q14. コミュニケーション、記憶、人格の連続性について(47:29)

インタビュー抜粋

――哲学の生態に迫るウェブ・マガジン『Philosophy Zoo』哲学ラジオのコーナー
を担当します田中さをりです。今日は千葉大学西千葉キャンパスに来ております。
数日前から関東地方の最低気温は11℃前後と、すっかり冬支度が必要な季節に
なりました。今日はひさびさの秋晴れで、千葉大のメインストリートにあるケ
ヤキも桜もすこし紅葉していて、すがすがしい風が通り過ぎていました。さて
そんな今日ですが、千葉大学人文社会科学研究科博士前期課程に在籍中の俵邦
昭さんにお会いします。俵さんとは、個人的に二年ほど前からのお付き合いで
して、今回お話させていただくにあたり、何度がメールでやりとりさせていた
だいていたのですが、そのなかで俵さんからこんなコメントをいただきました。

「不登校で、十数年ひきこもって、永井先生の本を読んで、大検を取って、千
葉大に入った、みたいな人生経験を話したほうがよいのではないかな。」

ということで、みなさん、どんなお話になるか聞いてみたいと思われるのでは
ないでしょうか。私自身も実は、この俵さんの人生経験について、くわしくお
話をうかがうのははじめてなので、俵さんがかつて見ていた世界を想像しなが
ら、そのイメージをみなさんにお届けできるように、じっくりお聞きしたいと
思います。それではさっそく行ってみましょう。

――俵さん、今日は、よろしくお願いします。

俵:どうもまかしてください。はい、どうも、よろしくお願いします。
――はい、こんな感じの俵さんですが(笑)、メールで頂いたようなお話をで
すね、俵さんの人生経験について振り返ってお話いただきた
いと思うんですがよろしいでしょうか。

 

俵邦昭さんのインタビューは「哲楽」第1号と「哲学者に会いにゆこう」でお読み頂けます。

哲楽創刊号

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