哲楽メールマガジン 1月号

2016年1月30日

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哲楽編集人・田中さをり




 哲楽メールマガジン

2015/1/30日号 vol.18

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

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哲楽 第7号

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現代哲学ラボ 第1号

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哲学関連ニュース

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哲楽 第7号

2016年1月21日、哲楽 第7号が発売開始されました!
通販ではAmazonFujisanより、実店舗ではジュンク堂書店池袋本店(4F人文書コーナー)にてご購入頂けます。

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哲楽第7号

編集:哲楽編集部
出版社:MIDアカデミックプロモーションズ
雑誌:A5版、80ページ
定価:720円(税込)

内容紹介:
森岡正博氏と、山内志朗氏は、 1980年から90年代にかけて出された著作の中で、身体と、哲学・技術の発展・ アニメーション文化・若者の抱える問題がオーバーラップする問題に注目していた。戸谷洋志氏がファシリテーターを 務める西千葉哲学カフェでも、「身体」 がテーマになった。情報や医療の技術発展に伴って、私たちの「身体」がどんな新しい問題に向き合わなければならないのか、これまでとこれからの道のりを探った。

●インタビュー

森岡 正博 「不随意な身体のリアリティ」
山内 志朗 「芙蓉の花と存在の一義性」

●哲学カフェレポ

戸谷 洋志 「どこまでが身体か」

●連載エッセイ

隣の教室 吉永 明弘
技術者の卵のための哲学教育 村瀬 智之
「子どもの哲学」にようこそ! 土屋 陽介
ナンバークロスワード 俵 邦昭

Editor’s Noteより

身体をテーマにした特集について、本誌創刊当初から思い描いていた。20歳を過ぎてから哲学科のある大学院への進学を志した私は、もし受験がうまくいかな かったら、染織家かパントマイミストになろうと考えていた。幸いにも大学院に受け入れてもらったものの、身体に関わる哲学を学びたいと、メルロ=ポンティ や西田幾多郎を勉強会で読もうとしたところ、いずれもすぐに却下された。アカデミックな場所を離れてからやっと、あのとき読みたかった文献を読み始めた。 そしてようやく気がついたのは、身体をテーマにした現代日本の哲学者の本がとても魅力的だということだった。

日本には、あらゆる年代の西 洋と東洋の文献が日本語に翻訳されているため、読むべき古典が山のようにある。哲学科の学生が、日本の同時代に生きる哲学者の本について、自分の研究テー マと結びつけて読むことを歓迎されないのはこのためだ。哲学を専門に学んだ学生よりも、かえって哲学書を趣味で読んでいる一般の人々の方が、現代の日本人哲学者が語る身体論に詳しいかもしれない。現在の日本では、哲学者が書く一般書が広く読まれているのだから。

遅れてきた趣味人のようにそうした本を読み、インタビューでは、『電脳福祉論』(1994、学苑社)の森岡正博氏と、『天使の記号学』(2001年、岩波書店)の山内志朗氏に話を伺った。お二人は、それぞれの著作のなかで、1980年から90年代にかけて、哲学・技術の発展・アニメーション文化・若者の抱える問題がオーバーラップ する問題に注目していた。そのなかで、「身体」がキーワードになっていたのだ。今年の秋に開催された、戸谷洋志氏がファシリテーターを務める西千葉哲学カフェでも、期せずして「身体」がテーマになった。技術の発展に伴って、私たちの「身体」がどんな新しい問題に向き合わなければならないのか、集まった人々と一緒に言葉をつないだ。

一方で2015年には、政府主導の成長戦略のひとつの目標として「ロボット新戦略」が公表され、政府内にロボッ ト革命実現会議が結成された。2020年には、現在の6000億円の4倍にあたる2兆4000億円の規模にロボット市場を拡大させることが目標とされている。2020年の東京オリンピックには、ロボットによる競技も開催されるのだとか。こうした話だけで、もう既に、遠い未来の視点でこの出来事を「今思えば示唆的な年でしたね」とかいいつつ、振り返りたくなってしまう。

今号では、二人の現代日本人哲学者と、哲学科出身の店主が切り盛りする西千葉の古書店の哲学カフェに集まった人々が語った「身体」の問題を、布石を打つように集めた。何の備えになるのかはまだわからないのだけれど、気分だけはもう、「どこからでもかかってこい、ロボット!」という感じである。

Book

現代哲学ラボ 第1号

現代哲学の領域で哲学的な思索を発信している人たちが集い、次世代に哲学を伝える場を作り出す活動の記録を電子書籍版「現代哲学ラボ」としてお届けします。

2015年10月9日に早稲田大学で開催された「運命論を哲学する——あるようにあり、なるようになるとは?」では、入不二基義氏をゲストにお迎えし、森岡正博氏とのディスカッションを行いました。Kindle版「現代哲学ラボ」第1号は、この時の様子を忠実に再現した、待望の記録です。

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現代哲学ラボ 第1号
入不二基義のあるようにありなるようになるとは?

哲楽編集部 編
語り:入不二基義・森岡正博
定価:360円

 もくじ

はじめに
あるようにあり、なるようになるとは?
運命論(Fatalism)の主張
運命論を書き換える
因果や神にすべて決定されている?
論理的運命論——ただそれだけでそう決まっている
論理的運命論で用いられる論理
論理的運命論で用いられる時間
論理的運命論で用いられる様相
絶対現実と相対現実の拮抗
森岡正博コメント
ディスカッション
フロアからの質問
時間論・運命論などを考えるようになったきっかけ
人の出会いの偶然と必然について
論理的運命論が一番正統なのか
論理的運命論が一番正統なのか
瞬間どうしは交流しうるのか

News

哲学関連ニュース

今月の編集人Tweeter (@MIDAP) で通り過ぎていった哲学関連ニュースをまとめてお届け!2016年1月3日〜1月30日分

哲学

ロボット・人工知能

障害・手話

遺伝子・再生医療

社会

ひきこもり

  • [ニュース 1/14] ダイヤモンド・オンライン:表面化しない“女性の引きこもり”の深刻さ|「引きこもり」するオトナたち diamond.jp/articles/-/84545

原発

医療

Afterwords

編集後記

今月は、哲楽の最新号に加え、「現代哲学ラボ」をKindle化して、その第1号を出版いたしました。

さらに今現在、編集中の電子書籍がひとつと、進行中のインタビューがひとつ。今年は哲楽という媒体を超えて、インタビューやトークイベントを基軸に、形にしていく予定です。この一年は、「高校生からの哲学雑誌」という哲楽のキャッチフレーズをより現実的なものにするため、高校生に読んでもらいやすい媒体を目指して、高校教諭や司書教諭の先生方や、哲学書のベテラン編集者のお力を借りつつ、新しい哲楽の形態を模索する年にしていきます。

それにつけても哲学者の語りを形にして、改めて思うのは、やっぱり哲学者の声が素敵だということ。

哲楽のインタビューでは、記録した音源を公開することもあり、実は、編集の段階で手を入れるのは最小限なのです。意図が分かりづらいところを修正したり、口癖を削ったりする以外は、ほぼ語られたまま、文字にしています。お話を伺ったご本人には必ず原稿を確認いただきますが、そのときに「気になる所は結構ありますが……」と言われることもあります。それでも結局、こちらで手を入れるのは最小限なのです。

理由のひとつが、私が哲学者の声に魅了されているというのが、もちろんあります。もうひとつの理由としては、哲学者の語りを、その語られた意図を保持したまま、完璧に編集する力がまだまだ足りないからでもあります。どんなに準備をして、哲学者のインタビューに臨んでも、その場では、何千年も前のラテン語やフランス語やドイツ語からの引用や、聞いたことも無い人名も飛び出します。もちろん、インタビューの前には、刊行された著書 にはすべて目を通しますが、私自身とお話を伺う哲学者の方々とは、生まれ故郷や過ごした青春時代が違うばかりか、専門知識の量も明らかに違います。例えその方の大ファンであっても、にわか仕込みで埋められる知識量ではありません。

知識量に絶対的な差があるため、インタビュー中に不明点を質問することもあります。ありがたいことに「そんなことも分からないの?」と怒られたことは今までに一度もないのです。ほぼすべての哲学者は、難しい言葉をわかりやすく言い換えたり、前の発言とのつながりを説明したりして下さいます。原稿の直しの段階ではなく、インタビューの場で不明点に答えて頂くことが多いので、ついつい、こうしたやり取りをそのまま残してしまいたくなるのです。

ただ、「高校生向け」ということを考えると、より論旨が追いやすいように、哲学者のモノローグとして編集しなおした方が良いという意見もあります。ですので、今年は、どういう形態にしたら高校生に読んでもらいやすいか、高校の先生に使って頂きやすいか、尋ね歩く予定です。

というわけで、あらかじめ、よろしくお願いいたします!

田中さをり

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