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2012年9月28日

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土屋陽介(つちや・ようすけ)
千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程単位修得退学。その後、子どものための哲学教育研究所の立ち上げに加わる。現在、茨城大学等で哲学の授業を教えるかたわら、同研究所副所長として、国内外の「子どもの哲学」の調査研究や実践活動に取り組む。

土屋陽介さんは、立教大学と茨城大学で哲学を教えている。「懐疑論」と呼ばれる哲学の問題を専門にして、「この世界が夢でないとどうして言い切れるのか」という問題に、大学の学部生から博士課程までのたっぷり10年間、真面目に取り組んできた。世田谷区の中学校で哲学を教えることになった後輩から、教材について相談を受けたことがきっかけで、「子どものための哲学」という分野に出会う。(哲楽第4号p.21より)

インタビュー抜粋

田中:あらためまして田中です。本日は茨城大学非常勤講師の土屋陽介さんにお話を伺
いに参っております。土屋さん、今日はよろしくお願いします。

土屋:お願いします。

田中:土屋さんは私たちの「高校生からの哲学雑誌 哲楽」という雑誌の編集協力委員
としてお手伝いいただいていますが、私も実際、土屋さんがどのようにして哲学教育に
関わられるようになったかとか、土屋さんという人がどういうふうに人間形成されてき
たのか(笑)、っていうところを詳しくは存じ上げないので、今日はいろいろ伺ってみ
たいと思います。まず最初の質問になるんですけれども、子どもの哲学教育というもの
に関わられるようになったきっかけについて教えていただけますか。

土屋:はい。やりはじめてまだちょうど3年ぐらい、3年か4年ぐらい前になるんですけれ
ども、2008年ですね、2008年のちょうど秋ぐらいからでして、それまでは普通に哲学で
大学院を出て、博士課程まで単位修得退学していた状況だったんですけれども、きっか
けとしては同じ編集協力委員で大学の後輩でもある村瀬智之さんという人がいまして、
彼がたまたま中学校の非常勤講師で数学の授業を持っていたんですけれども、たまたま
そこが世田谷区だったです。その世田谷区でたまたま「哲学」っていう名前の授業が開
講されることになってまして、これは教育特区を取ってつくられた臨時の授業なんです
けれども、それを彼が担当することになって、その彼から私の方に「こういうことをや
ることになったんだけど、何かアイデアありますか」みたいな相談を受けたのが一番最
初のきっかけですね。

田中:「哲学」っていう題名で中学校で教育の機会が開かれたっていうのは、日本で初
めてのことだったんですかね。

土屋:そうですね。「哲学」という名前がついた授業が開講されているのは、非常に小
さい取り組みであればもしかしたらあるのかもしれないですけれども、区のレベルでや
るなんていうのは多分、日本初というか世界でもまず例がないんじゃないかなと思いま
すね。

田中:ここで土屋さん、村瀬さんは研究所も立ち上げられていますけれども、研究所を
立ち上げられた経緯もそちらに繋がってくるんですか。

土屋:そうですね。「子どものための哲学教育研究所」という、まあほとんどホームペー
ジだけで、しかも今、私、更新担当なんですけれども、あまり更新されていないんです
けれども、ちょうどそれで二人でやろうってことになって。私自身ももともと、修士課
程の頃とかに家の近くの学習塾みたいなところで国語の教師をずっとやってまして、何
とかそういう国語とかいうようなのと、論理的に考えるという自分がやっていることと
の繋がりはどっかにあるんじゃないかなあ、と漠然とずっと考えていたんですね。それ
もあって彼と一緒に調べだしたら、日本にはほとんど何もないと。何もないっていうの
はちょっとあれで、大阪大学とかでいくつかの先行研究はあるんですけれど、かなり私
が想像していたよりは研究がなされてなかったと。世界に目を向けたら、どうやら「
Philosophy for Children」て呼ばれる、「子どものための哲学」て呼ばれるような動き
があると。これはああ、面白いなあと思って、ちょうどやっていた時に、今、千葉大学
の准教授になられているですけれども、山田圭一さんという私の研究上の先輩にあたる
ような人がいて、当時は中央学院大学とかで非常勤講師をされていたんですけれど、彼
も非常に興味を持ってくれて、それで3人で科研費のチームを結成したんですね。その時
に私の千葉大学でお世話になっている高橋久一郎先生に入っていただいて、小さい科研
費を3人で書いて、それでプロジェクトをつくったってのがあって。それが研究所って、
一応名前だけなんですが、あれのバックグラウンドは、一応その科研費がバックグラウ
ンドということになっていたんです。

田中:科研費っていうのは文科省から出る、大学の先生に出る研究費のことですね。

土屋:そうです。

田中:その研究費をもらって研究プロジェクトを立ち上げて、中学生に向けて哲学をど
ういうふうに教えたらいいかっていう研究がスタートしたっていうことですね。

土屋:そうです、はい。

田中:その時、どういう教材を使っていいかとか、どこから手をつけられたんですか。

 

インタビューをまとめた記事は哲楽第4号でお読み頂けます。
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