「生きる意味」、高校倫理の授業で生徒と考える

2012年9月28日

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綿内真由美(わたうち・まゆみ)
信州大学文学部で哲学を学んだ後、お茶の水女子大学大学院に進学。大学院に在籍中から高校の教壇に立ち、その後、長野県の社会科の教員となる。昨年2011年から、長野県内の公立高校で、念願の倫理の授業を担当している。

綿内真由美さんは、長野県の公立高校で倫理を教えている。信州大学で哲 学を学び、お茶の水女子大学大学院に進学。 大学院在籍中に高校の教壇に初めて立った経験が忘れられず、故郷の長野県で、高校の教員になった。大学院で哲学理論を学ぶ ことと、高校生に教えることを同時並行で続けていたときから、生徒の疑問に答えるための教材研究が、綿内さんにとっての哲学研究にもなっていた。教員になってから二校目の学校で、不登校の経験をもつ生徒や、複雑な家庭環境を生き抜いてきた生徒たちと、正面から向き合う生活が始まった。(高校生からの哲学雑誌『哲楽』第4号、p.13より。)

※大変申し訳ございませんが、収録場所の雑音が大きく、インタビュー音源の質がクリアではありません。インタビュー中の雰囲気をお伝えできればと思いますので、どうぞご了承下さい。

インタビュー抜粋

田中:ワッチー先生の子どもの哲学教育に関わられるようになったきっかけについて、まずは
お話頂けますか。

綿内:きっかけは、いわゆる「子どもの哲学教育」というところに、自分がやっているのがそ
うなんだよ、というふうに導いて下さったのは、先輩の土屋さんなんです。

田中:あら、そうなんですか。

土屋:まあ形としてはそうです。

綿内:はい。それまでは別に普通に、倫理の教員なので、倫理の教員として子ども達と関わっ
ているという感じだったんですね。なんで倫理の教員になろうか(と思ったか)という
ところは、大学院の二年生のときに、高校で非常勤講師をやらせて頂いて、倫理の授業
を週二時間もったんです。すっごい面白かったんですよね。自分も初めて教える立場に
なってすごい調べたりとか、教材研究とかに時間をかけたら、いままでの哲学の勉強み
ないなのもすごく面白くなったんです。それを生徒に言うと、生徒も別の観点から、「
これはどうなの?」という質問を投げかけてくれて、そういうやり取りがすごく楽しく
て、勉強になって。こうやって一生、生徒と一緒に問い続けられたら良いな、勉強して
いけたら良いな、と思ったのが、きっかけでもあり、いまもそれは変わってないです。

田中:どこで土屋さんが登場するんですか。

綿内:土屋さんは去年なんです。去年、信州大学の哲学懇話会というのがありまして、そこで
私と土屋さんが実践発表者という役割を仰せつかりまして。そこで初めてお会いして。
私は哲学というか、そういう話はしなかったんですけど、それがまさに「子どもの哲学
だ~!」って教えてくださって。ああそうだったんだ、と思って。問う楽しさとか、質
問する楽しさや、「なんで?」って考える楽しさについて伝えていけたらなと常に思っ
てやっています。

田中:大学に進学するための倫理の勉強もありますよね。それもやりつつ、問いかけやディス
カッションを両方やっていくって難しそうですけれど。

綿内:でも教科書って、本当に厚いんですよ。全部なんてとてもやりきれなくて。でも太字を
抑えて欲しいという生徒も多いですけれど。

田中:太字を(笑)

綿内:そう、太字だけは、みたいな。そこはワードで押さえたりするけど、そこはテキスト読
めば分かるので、テキストの行間を読むではないですけど、制度にせよ、思想にせよ、
何でそういう風に考えるようになったのか、なんでこういう制度になったのか、「なん
で?」っていうところが、授業の面白さなんじゃないかなと自分では思いながらやって
います。

田中:土屋さんはわっちー先生のどこが、ご自身の研究テーマの「子どもの哲学教育」と重な
ると思われたんですか。

土屋:そうですね。本当に去年たまたま研究会で、私も実際に問題について話し合う、問いを
ベースにして、何かを教えるのではなく、素朴に思った「なんで?」っていういま正に
言われていたところから、スタートして考えていくということを実際に実践していらっ
しゃる先生っていうのを…。私自身もそういう研究を始めてそんなに数多くお会いした
わけではないので、たまたま研究会で綿内さんにお会いして、私自身が理論的な話、海
外でこういうことやってましたよという発表をする直前で、綿内さんが、本当に私自身
がやりたいと…。私自身も研究者なので、そんなじ自分も上手くやれていたわけではい
ので、本当に自分自身がやりたいと思っていたひとつの理想的な形を見せてもらった形
があって。ものすごく驚いたんですよね。こんなに近いところで。全然研究会もそうい
う感じだと思ってなかったんです。

綿内:「子どもは哲学するか」という題名でしたよね。

土屋:そうですね。とりあえず何でもいいからしゃべってくれって言われて。最近こういうの
やってるからちょっと紹介しましょうって行って。自分の中では依頼を受けたからちょ
と発表しに行ったというその先で、すごく素晴らしい出会いがあって、教えてもらった
ので。

田中:「まさにこれだ」っていう出会いだったんですね。

土屋:そうですね。ぜひこれはチームの中で重要な役割を担って頂くしかないなと。

綿内:がんばります(笑)

田中:わっちー先生は、こうやって大学で研究なさっている土屋さんとお話しして得るものは
ありますか?本人目の前にして(笑)

 

インタビューをまとめた記事は哲楽第4号でお読み頂けます。
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