哲楽最新号、発売開始!

2016年1月21日

写真


お知らせ

哲楽最新号となる第7号、特集「身体性の未来」が2016年1月21日に発売されました。

通販ではAmazonFujisanより、実店舗ではジュンク堂書店池袋本店(4F人文書コーナー)にてご購入頂けます。なお、1月21日時点で、Amazonでは、ご予約頂いたお客様への発送により、一時在庫切れになっております。順次追加納品しておりますが、お急ぎの方は、Fujisanかジュンク堂書店池袋本店をご利用下さい。

バックナンバーの内容はこちらからご覧頂けます。

お問い合わせ

哲楽のお取扱いをご検討頂いている書店・学校図書室・公立図書館のご担当者の皆様、どうぞお気軽に哲楽編集部までご連絡下さい。哲学カフェや、教育現場でまとめてのご購入についても、編集部でご相談承ります。

株式会社MIDアカデミックプロモーションズ
哲楽編集担当 田中
[email protected]

043-301-5207

product_icon_latest_chirami_bt

Flyer-vol7-5_p1

vol7-hyoushi-3-line

amazon-logo

 

 

 

fujisan_logo4

 

 

 

哲楽第7号

編集:哲楽編集部
出版社:MIDアカデミックプロモーションズ
雑誌:A5版、80ページ
定価:720円

内容紹介

森岡正博氏と、山内志朗氏は、 1980年から90年代にかけて出された著作の中で、身体と、哲学・技術の発展・ アニメーション文化・若者の抱える問題がオーバーラップする問題に注目していた。戸谷洋志氏がファシリテーターを 務める西千葉哲学カフェでも、「身体」 がテーマになった。情報や医療の技術発展に伴って、私たちの「身体」がどんな新しい問題に向き合わなければならないのか、これまでとこれからの道のりを探った。

●インタビュー

森岡 正博 「不随意な身体のリアリティ」

山内 志朗 「芙蓉の花と存在の一義性」

●哲学カフェレポ

戸谷 洋志 「どこまでが身体か」

●連載エッセイ

隣の教室 吉永 明弘

技術者の卵のための哲学教育 村瀬 智之

「子どもの哲学」にようこそ! 土屋 陽介

ナンバークロスワード 俵 邦昭

Editor’s Noteより

身体をテーマにした特集について、本誌創刊当初から思い描いていた。20歳を過ぎてから哲学科のある大学院への進学を志した私は、もし受験がうまくいかなかったら、染織家かパントマイミストになろうと考えていた。幸いにも大学院に受け入れてもらったものの、身体に関わる哲学を学びたいと、メルロ=ポンティや西田幾多郎を勉強会で読もうとしたところ、いずれもすぐに却下された。アカデミックな場所を離れてからやっと、あのとき読みたかった文献を読み始めた。そしてようやく気がついたのは、身体をテーマにした現代日本の哲学者の本がとても魅力的だということだった。

日本には、あらゆる年代の西洋と東洋の文献が日本語に翻訳されているため、読むべき古典が山のようにある。哲学科の学生が、日本の同時代に生きる哲学者の本について、自分の研究テーマと結びつけて読むことを歓迎されないのはこのためだ。哲学を専門に学んだ学生よりも、かえって哲学書を趣味で読んでいる一般の人々の方が、現代の日本人哲学者が語る身体論に詳しいかもしれない。現在の日本では、哲学者が書く一般書が広く読まれているのだから。

遅れてきた趣味人のようにそうした本を読み、インタビューでは、『電脳福祉論』(1994、学苑社)の森岡正博氏と、『天使の記号学』(2001年、岩波書店)の山内志朗氏に話を伺った。お二人は、それぞれの著作のなかで、1980年から90年代にかけて、哲学・技術の発展・アニメーション文化・若者の抱える問題がオーバーラップする問題に注目していた。そのなかで、「身体」がキーワードになっていたのだ。今年の秋に開催された、戸谷洋志氏がファシリテーターを務める西千葉哲学カフェでも、期せずして「身体」がテーマになった。技術の発展に伴って、私たちの「身体」がどんな新しい問題に向き合わなければならないのか、集まった人々と一緒に言葉をつないだ。

一方で2015年には、政府主導の成長戦略のひとつの目標として「ロボット新戦略」が公表され、政府内にロボット革命実現会議が結成された。2020年には、現在の6000億円の4倍にあたる2兆4000億円の規模にロボット市場を拡大させることが目標とされている。2020年の東京オリンピックには、ロボットによる競技も開催されるのだとか。こうした話だけで、もう既に、遠い未来の視点でこの出来事を「今思えば示唆的な年でしたね」とかいいつつ、振り返りたくなってしまう。

今号では、二人の現代日本人哲学者と、哲学科出身の店主が切り盛りする西千葉の古書店の哲学カフェに集まった人々が語った「身体」の問題を、布石を打つように集めた。何の備えになるのかはまだわからないのだけれど、気分だけはもう、「どこからでもかかってこい、ロボット!」という感じである。