志村さんとゲーテ の出会いは、不思議な縁でめぐってきた。志村さんが柳宗悦の民藝運動に共感して苦闘のすえ染織家になり、詩人の大岡誠さんの進めで本を出版するその間に、 高橋義人さんの著書を通じて、ゲーテの色彩論を手にしたのがその始まりだ。植物から緑色を出すことがどうしてもできないことに悩んでいた時の、まさにそこ から視界が切り拓けるような出会いだった。

          

若き美学研究者の星野太さんの目に、サルトルとボーヴォワールの批評し合う関係はどう写ったのか、また、彼らの思想が本国以外で同時代的に受け入れられた背景に何があるのか、伺いました。

          

「私」の哲学をテーマに博士課程を単位取得退学され、二人のお子さんの育児の傍ら、ご自宅で研究を続けておられる村上綾さんにお話を伺いました。信仰と哲学を切り分けながら、「私」の存在について考え続けてこられた過程について伺いました。

          

東京大学柏の葉キャンパスに研究室を構え、環境倫理学を教えておられる鬼頭秀一先生にお話を伺ってきました。環境倫理・環境哲学緊急集会のお話や、アフリカでの日本の若手環境倫理学者の活躍など盛りだくさんです。

          

藤井可(ふじい・たか)さんは佐賀大学医学部で生命倫理学を教えている。医師の資格を持ち、医師のアルバイトをしながら、つい最近、哲学の論文で博士号を取得された異例の経歴の持ち主である。

藤井さんは、佐賀大学医学部5年目のときに、重症筋無力症という難病に罹っていることがわかった。あと一年の過程を終えれば、医師国家試験の受験資格が得られるという矢先の出来事だった。藤井さんは医学部を辞めることを考えた。