2016年2月8日、福島高校三年の小野寺悠さんは、東京大学大学院の早野龍五教授(物理学)とともに、日本外国人特派員協会で記者会見を開いた。査読付きの英文ジャーナルに掲載された論文の内容をすべて英語で説明し、記者の質問に答えた。

          

藤井基貴さんは、静岡大学教育学部で防災教育に取り組んでいる。 大学時代、カント研究に従事していた藤井さんは、静岡大学への着任をきっかけに道徳教育に携わるようになった。大学で学んだカント哲学と、義務教育のなかの既存の道徳教育には乖離があるように思えたものの、2009年春から、教員を目指す学生達とともに道徳教育の教材の開発・実践を始めた。

          

立花浩司さんは、北陸先端科学技術大学院大学の社会人学生として、文化人類学を専門とする教員のもとで科学技術と社会に関する知識科学を研究している。大学の農学部を卒業後、バイオ系の実験機器・試薬を製造販売する会社に就職した。

          

志村さんとゲーテ の出会いは、不思議な縁でめぐってきた。志村さんが柳宗悦の民藝運動に共感して苦闘のすえ染織家になり、詩人の大岡誠さんの進めで本を出版するその間に、 高橋義人さんの著書を通じて、ゲーテの色彩論を手にしたのがその始まりだ。植物から緑色を出すことがどうしてもできないことに悩んでいた時の、まさにそこ から視界が切り拓けるような出会いだった。

         

報道写真家の哲学

2014年1月28日

 

今城力夫さんは、元報道写真家で哲楽を1号からご愛読頂いている一人だ。1939年に台湾で生まれ、終戦時は6才だった。中学生になった頃、父の薦めで自宅にあったドイツ製のカメラで写真を撮るようになり…

          

藤井可(ふじい・たか)さんは佐賀大学医学部で生命倫理学を教えている。医師の資格を持ち、医師のアルバイトをしながら、つい最近、哲学の論文で博士号を取得された異例の経歴の持ち主である。

藤井さんは、佐賀大学医学部5年目のときに、重症筋無力症という難病に罹っていることがわかった。あと一年の過程を終えれば、医師国家試験の受験資格が得られるという矢先の出来事だった。藤井さんは医学部を辞めることを考えた。

          

学部は音楽大学でピアノを専攻していたが、昨年の春から哲学科の大学院に入った。哲学科に転向したのは、ピアノを弾くために音楽とはなにかを根本から考えたかったからというわけではない。確かに音楽が何であるのか当時も今もわかっていないのだけれども、音楽とは何か、ということが言葉でわかったからといって音楽活動がうまくいくわけではない気がする。ただ、日頃行っている実践を言葉で説明してみることもそれはそれでおもしろい。