手話で語る哲学対話

根本和徳さんに誘われて、ご友人たちとの哲学対話の場にお邪魔したのは、この日が2回目だった。初回は「文字のない手話の特性」というテーマで、手話学習者である私の疑問を皆さんにお答え頂く贅沢な会……だった。自らの確認不足を悔やみながら、迎えた二ヶ月後の会。「記憶の再現方法と時間」というテーマを持参して臨んだ。

          

高校2年生の坂本優樹さんは、デカルトの機械論的自然観が自然破壊に結びついたという説に疑問をもち、デカルトの『方法序説』にある「自然の主人」という表現から、自然と主人の双方向的な関係を見出す新しい解釈を提示します。

          
哲楽インタビュー_根本和徳さんと編集部にて

根本和徳さんは、お薦めの本を手話で紹介する活動をしている。生まれは福島県。ろう者の両親のもとに生まれ、ろう学校を卒業した後、大学進学を機に地元を離れ、今は特別支援学校の教諭として働いている。もともと本好きで、ちょっとした隙間時間に読書を続けきた。

          

哲楽ウェブサイトでは、オリジナル記事や他メディアで掲載された記事の投稿を受け付けています。皆さんの投稿が、現代の哲学の問いに形を与え、読者を刺激し、日常の暮らしに希望を灯すという哲楽のミッションに貢献してくださることを期待しています。記事の投稿者に対する謝礼はありませんが、哲学的な問題を文章化する経験や、読者とつながることが、これからのあなたのキャリアにプラスになることを願っています。

          

高校2年生の竹永嵩一郎さんから、入不二基義著『現実性の問題』の批評をご寄稿頂きました。絵画を制作する竹永さんが考える死の存在、現代美術の在り方について、「現実性」が与える希望とは…? 切実な問いに迫る文章、どうぞご覧ください。

          
ゼロからはじめる哲学対話

本書は問いと他者に開かれている。哲学対話のイメージトレーニングをするもよし、オンラインで開催されている哲学カフェに飛び込んでみるもよし。普段とは違う、「ゆっくり・じっくり」考える時間を過ごせるはずだ。

         

哲楽休刊のお知らせ

2017年10月23日

 

哲楽編集部では、2011年より哲楽の発行を続けておりましたが、最新号の第7号を最後に、休刊することにいたしました。

          

研究者たちが学習データの認識率を上げるアルゴリズムを作るために日夜努力していることは、人間の言葉を理解しながら仕事を代わりにしてくれる機械が次々に社会に生み出されることと同一ではない。一体何が違うのか、本書は教えてくれる。ひょっとすると、日本語という言語の学習過程にある小中高生の方こそが、この本からその違いを正しく受け取れるのかもしれない。

          

現代でも、特に英語圏で聾教育や手話の問題が論じられるとき、アリストテレスには多種多様な仕方で言及されることがある。今回は、アリストテレスが実際に書き残したことを追いながら、何がこうした多様な解釈をもたらしているのかを考えていきたい。

          

前回は、身振り・手話・音声・文字というモードに、連続性と非連続性があるのかもしれない、という話をした。今回は、手話についての価値判断をめぐる歴史的な背景を見ていこう。

          

この連載では、手話を生活言語としている人々に哲学の議論にもっと加わってもらえるように、また、音声を生活言語としている人々がこれまでの哲学の音声言語的特徴を自覚できるように、その下敷きとなる話題を整理していく。

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジン、前回から間が空いてしまいましたが、最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

哲楽メールマガジン10月7日号をお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

哲学史の中でも特に複雑でわかり難いといわれる中世スコラ哲学。これまでそのスコラ哲学の見所・勘所を披露しつつ、水先案内人として多くの著作を残してきた著者は、本書で「感じる」ことを基点として、スコラ哲学の醍醐味を再現することを試みている。

          

世の中には自分の知らない世界がまだまだある。「応用物理」という世界もそのひとつ。日本応用物理学会という学会があることを私はこれまで知らなかった。学会ウェブサイトによると、会員数は2万人を超え、春と秋に毎年二回開催される講演会にはそれぞれ7千人と6千人が参加して、4000件の発表がなされるという。

          

哲楽メールマガジン、今号は2ヶ月分のニュースをまとめてお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジン6月2日号をお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジン4月号をお届けします。

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。3月の最終日、哲楽メールマガジン3月号をお届けします。

         

国際女性デー

2016年3月8日

 

毎年3月8日は、国際女性デーです。哲楽ウェブサイトでは、本日、女性を対象としたインタビュー記事や取材記事、寄稿エッセイを一覧にする機能を設けました。右上のHeForSheのロゴをクリックすると、この一覧が表示されます。

          

いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。3月に入ってしまいましたが、哲楽メールマガジン2月号をお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

2016年2月8日、福島高校三年の小野寺悠さんは、東京大学大学院の早野龍五教授(物理学)とともに、日本外国人特派員協会で記者会見を開いた。査読付きの英文ジャーナルに掲載された論文の内容をすべて英語で説明し、記者の質問に答えた。

          

 哲楽メールマガジン 2015/1/30日号 vol.18 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Book 哲楽 第7号 […]

          

哲楽最新号となる第7号、特集「身体性の未来」が本日発売されました。
通販ではAmazonとFujisanより、実店舗ではジュンク堂書店池袋本店(4F人文書コーナー)にてご購入頂けます。なお、1月21日時点で、Amazonでは、ご予約頂いたお客様への発送により、一時在庫切れになっております。順次追加納品しておりますが、お急ぎの方は、Fujisanかジュンク堂書店池袋本店をご利用下さい。

          

 哲楽メールマガジン 2015/12/29日号 vol.17 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Event 現代哲学ラ […]

          

2015/11/28日号 vol.16 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジン11月号をお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

哲楽メールマガジン 2015/11/2日号 vol.15 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Event 現代哲学ラボ […]

          

哲楽メールマガジン 2015/9/29日号 vol.14 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Article 哲楽最新記 […]

          

ロボットに関わる問題を哲学分野でも議論していこうと、ロボットの応用哲学研究会の主催で、2015年9月7日から9日、サマースクール「ロボット社会のゆくえ」が開かれ、2日目の講演会に参加しました。ここでは、それぞれの講演の概要と、これから議論が発展しそうなポイントをまとめてレポートします。

          

哲楽メールマガジン 2015/8/31日号 vol.13 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。最後までゆっくりお付き合い下さい! Event 現代哲学ラボ […]

          

哲楽編集部の高校生インターンによる渾身のエッセイ!「アメリカ人と日本人の違いとは何なのだろうか。この問いは、アメリカで暮らし、また、アメリカからの帰国子女と触れ合う機会の多い私にとって切実なものだ」

          

哲楽メールマガジンをお届けします。前号からメールマガジンをリニューアルして内容を増量しております。最後までゆっくりお付き合い下さい!

          

哲楽メールマガジン 2015/6/26日号 vol.11 いつも高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。哲楽メールマガジンをお届けします。今月からメールマガジンをリニューアルして内容を増量しました。最 […]

          

哲楽の最新情報と国内外の哲学事情をお届けして参ります。

          

昨年11月の哲楽ライブでピアノの弾き語りをお届けした紀々。この春、子どもと過ごすすべての人に向けたアルバム「願いうた」がリリースされた。これまで哲楽編集人として、数多くの哲学者にインタビューさせて頂く機会に恵まれ、ひとつ気がついたことがあった。自分の問いに人生をかけて向き合い続けることが出来る人は、子どもの時代に耳を傾けてくれる大人が側にいた人であると。つまり、子どもの「哲学の芽」を育てられるかどうかは、大人にかかっているのだと。

          

「そわそわ」の大晦日、今年一年の読書を振り返った。ご恵贈頂いた本は、ランキングには入れられなかったものの、自分で買い求めた本の中からベスト10を選出。

          

台風が近づく薄曇りの土曜日、永井均と、東京三谷に住む風間コレヒコを尋ねた。「山谷」という地名は、住居表示制度により、1966以降の地図上には存在しない。日雇い労働者のための安宿が多く立ち並ぶドヤ街を指す地名として、その呼び名だけが残っている。

          

「これは使えそう」というのが本書を手にしたときの第一印象だ。ワークブックとして、教室などで議論をしながら使うための本としてデザインされているので、随所にその工夫が見られるのだ。まず、B5版の大きさがいい。中には書き込みができるスペースがあり、この大きさだと、開いた時に本が自立する。

          

哲楽創刊号から広告を出していただいている、ナカニシヤ出版さんより、最近出された本をご恵投いただいた。どれも哲学や教養をめぐる「今」を鋭く捉えた好著なので、一冊ずつご紹介したい。まずは『ゆとり京大生の大学論:教員のホンネ、学生のギモン』から。

          

哲楽第6号がいよいよ今月末に発売予定となりました(一部の店舗では9月に入ってからの発売となりますのでご了承下さい)。今回の特集は、「永井哲学の道のりと広がり」。今年の4月から、哲学者、永井均氏の不思議な魅力とその哲学のもつ波及力に迫りました。

          

「楽しい」という漢字を当てた本誌のブログ記事として適切かどうか、躊躇するところではありますが、音声編集に慣れている者として、できるところは協力したいと思い投稿します。2014年6月18日に開かれた東京都議会平成26年第2回定例会で、一般質問中の塩村文夏議員に対して、議場から性的侮蔑の声が複数上がったことが問題になっています。すでにこのニュースは国内英字新聞で報道され、AFP通信を経由して、国外でも報じられています。公開動画から、スペクトル解析のベースとなりそうな音声を切り出しました。

          

この本では、都市という環境に注目しました。世界人口の半分以上が都市に住む現代では、都市環境こそが人々にとって身近な環境になっているからです。身近な環境を舞台にして、人々が規範をつくりだしていくことを目指し、子どものころの秘密基地づくりや、まち歩き、地図作りといった話題をからめて、読みやすく、わかりやすく、環境倫理を論じています。

          

藤井基貴さんは、静岡大学教育学部で防災教育に取り組んでいる。 大学時代、カント研究に従事していた藤井さんは、静岡大学への着任をきっかけに道徳教育に携わるようになった。大学で学んだカント哲学と、義務教育のなかの既存の道徳教育には乖離があるように思えたものの、2009年春から、教員を目指す学生達とともに道徳教育の教材の開発・実践を始めた。

          

立花浩司さんは、北陸先端科学技術大学院大学の社会人学生として、文化人類学を専門とする教員のもとで科学技術と社会に関する知識科学を研究している。大学の農学部を卒業後、バイオ系の実験機器・試薬を製造販売する会社に就職した。

          

志村さんとゲーテ の出会いは、不思議な縁でめぐってきた。志村さんが柳宗悦の民藝運動に共感して苦闘のすえ染織家になり、詩人の大岡誠さんの進めで本を出版するその間に、 高橋義人さんの著書を通じて、ゲーテの色彩論を手にしたのがその始まりだ。植物から緑色を出すことがどうしてもできないことに悩んでいた時の、まさにそこ から視界が切り拓けるような出会いだった。

          

哲楽メールマガジン第10号 いつもPholosophy-Zoo哲学ラジオと高校生からの哲学雑誌『哲楽』を応援頂きありがとうございます。編集人の田中さをりです。小誌哲楽をご購入頂いた皆様と、これまでにお名刺の交換をさせて頂 […]

         

報道写真家の哲学

2014年1月28日

 

今城力夫さんは、元報道写真家で哲楽を1号からご愛読頂いている一人だ。1939年に台湾で生まれ、終戦時は6才だった。中学生になった頃、父の薦めで自宅にあったドイツ製のカメラで写真を撮るようになり…

         

防災哲学カフェその2

2013年12月29日

 

珈琲ブレイクをはさんで後半の哲学カフェでは、「想定外」という言葉をめぐる哲学対話を行いました。
「想定外という言葉が入った例文をあげられますか?」のこちらからの問いかけに、次の3つの例文が上がりました。

         

防災哲学カフェその1

2013年12月19日

 

哲楽第5号の発売を記念して、12月7日、西千葉のムーンライトブックストアさんにて「防災哲学カフェ」を開催しました。ゲストとして、全国30カ所以上でサイエンスカフェを開催されて来られた、サイエンスコミュニケーションの専門家、立花浩司さんをお招きし、ご近隣にお住まいの方を中心に9名の参加者が集いました。

          

前回、外国人の臓器移植の問題について取り上げたところ、本当に日本にいる外国人でも臓器提供できるのかという質問を頂きました。そこで、移植移植に関する主要な団体に問い合わせしてみました。今日は、(公社)日本臓器移植ネットワークのご担当者の方から頂いた回答についてご紹介したいと思います。

          

英会話の授業で、日本の医療問題がテーマになり、脳死臓器移植の現状を話す機会がありました。講師の先生はイギリス人で、私の英語表現に訂正を加えつつ、熱心に聞いて下さいました。
その時、気がついたことがありました。「日本に住む外国人の方々に、臓器移植法案の改正や、それに伴う事前の意思表示の仕方についての情報は、きちんと伝わっているのか」という問題です。

          

藤井可(ふじい・たか)さんは佐賀大学医学部で生命倫理学を教えている。医師の資格を持ち、医師のアルバイトをしながら、つい最近、哲学の論文で博士号を取得された異例の経歴の持ち主である。

藤井さんは、佐賀大学医学部5年目のときに、重症筋無力症という難病に罹っていることがわかった。あと一年の過程を終えれば、医師国家試験の受験資格が得られるという矢先の出来事だった。藤井さんは医学部を辞めることを考えた。

          

学部は音楽大学でピアノを専攻していたが、昨年の春から哲学科の大学院に入った。哲学科に転向したのは、ピアノを弾くために音楽とはなにかを根本から考えたかったからというわけではない。確かに音楽が何であるのか当時も今もわかっていないのだけれども、音楽とは何か、ということが言葉でわかったからといって音楽活動がうまくいくわけではない気がする。ただ、日頃行っている実践を言葉で説明してみることもそれはそれでおもしろい。